ちょうど7年前の10月末、僕はドンムアンに降り立った。嫁と知り合って数ヶ月。仕事の合間をぬって2ヶ月の長期休暇を取っての訪タイである。自営で、ひとつの仕事のスパンが6ヶ月から1年という僕にとって、仕事の切れ目に長期の休暇をとるのは普通のことだった。嫁と知り合ってから、短期の訪タイを繰り返しながら、ほぼ毎日電話で話す日が続いていた。
僕がその日バンコクに入ることを選んだのには訳があった。その日はロイクラトーン、一年に一度、先祖を供養するための精霊流しの日なのだが、それと同時に恋人たちがその愛を確かめ合う日でもある。
つまり、その日に行動をともにしてくれるようなら、その男は女性にとって本命という事になる。日頃恋人付き合いをしていても、本命でなければ母親が急に病気になったり.....
まあ、僕にとってはひとつの賭けだったといえる。と言うか、実際はちょっとした遊び心だったんだけどね。タイまで飛行機で仲良くなった女性2名と話しながら歩いていると、出迎えている彼女が見えた。僕が女性と一緒なので人違いかと思ったらしい。その女性たちとはそこで別れたが、後日食事をご一緒し、嫁の案内で観光にも同行させてもらった。
その日だが、それから予約しておいたホテルをキャンセル、嫁のアパートに行き、その後チャオプラヤ川で精霊流し。そして半年後に結婚。僕がタイに移り住むことになった。
あれからもう7年、子供も6歳になる。嫁とはいまだに喧嘩ひとつなく、周りからは「バンコクの奇跡」と言われるほど仲がいい。僕の人徳....ではなくて、嫁の優しさと気配りに負うところが大きいのだが。
思えば遠くに来たものだ。
これでもロイクラトーンです(笑)(某日本人クラブにて)
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